歯科定期検診

痛みが無い。
異常が無い。
だから無意味?

日本の歯科医院は治療がメインであることから、そう考えるのも無理はありませんが、果たして本当でしょうか?

予防意識と受診率の実態。

まずは、一般的な”歯の予防”に関する意識はどうなっているかから見ていきましょう。

公益社団法人日本歯科医師会より公表「歯科医療に関する生活者意識調査」の結果では、

「健康のためにできるだけ自分の歯を残したい」

「健康を維持するうえで、歯や口の健康は欠かせない」

「歯や口の健康を大切にしている」

この結果より、歯やお口の健康に関する理解は進み、皆さんの高い意識が伺えます。

しかし、実際に少なくとも年1回は定期検診へ通っているという方は、約40%しかいないのが実状です。

では、どうして通わないか?その理由について解説していきましょう。

通わない”理由”

歯科検診では何をするのか?が分からない。

①お口の中をチェック – 歯周病、むし歯、歯の揺れ、出血や歯周ポケット深さ測定

②溜まった歯垢・歯石を除去 – スケーリング

③生活習慣やセルフケアの指導や説明

主にこれら3つを行います。

何のための歯科検診か?が分からない。

1)歯周病やむし歯などの病気を早期発見し早期治療を行うため

2)プロのクリーニングで清潔な状態を保つため(むし歯の原因菌を除去)

3)歯のケアの質を高め、お口の中の病気を予防してご自身の歯を守るため

4)全身疾患を予防し、いつまでも健康に過ごすため

となります。

なぜ歯科検診が必要なのか?が分からない。

セルフケアには限界があり、毎日しっかり歯を磨いていても約40%は磨き残していると言われています。こうした食べかすが要因となりお口の中の環境が悪化し、歯周病やむし歯が進行します。その後、痛みなどの異常を感じたら時すでに遅し、あなたの歯は削らなければならない”手遅れケース”であることがほとんどだからです。

歯科検診に通っていたのにむし歯になったから。

定期検診では目視チェックが基本ですが、目視だけでは歯の隙間や詰め物等の中のむし歯までは分かりません。そこでX線撮影が必要になりますが、X線を毎回撮ることは検診と同じぐらいの費用が掛かってしまうことから現実的ではありません。こうしてX線を取る機会までの間に発生した歯の不調でむし歯があったから「見落としだ」と感じてしまうケースも稀にあります、どうしてもご心配な場合は撮影も可能ですのでご相談ください。また、特に古い設備だったりすると暗く見辛いことで本当に見落としをするケースもあるようですが、当院では新型のチェアや口腔内カメラ撮影を導入しておりますのでそういった点での見逃しは考えにくいです。

歯医者には抵抗や不安がある。

歯医者に苦手意識が強い方でも通いやすい対応や雰囲気づくりを心がけていますので、具体的に苦手な理由を教えてください。可能な限りで配慮できるようにお話からさせていただきます。注射、痛み、削る音などが苦手という方ほど、むし歯や歯周病にならないよう「予防」のために定期的に検診へ通うことがとても大切です。

歯医者に通う費用が勿体ない。

定期検診に通う方が、生涯に掛かる医療費が安くなるとされています。なぜなら食事などに関係するお口の健康は”全身の健康状態”に大きく影響するからです、こうした理由から通う人と通わない人では年齢が高くなるほど総医療費の差が大きく開いていきます。統計によると、40歳頃までは定期検診の費用を考えても大差はありませんが、65歳時点になると年間医療費に約15万円の差が出るそうですので、定期検診で通う方が断然お得です。

時間が無いし面倒臭い。

確かにお気持ちは良く分かります。しかし失って初めて歯のありがたみや食事ができる喜びに気付き、そこで後悔して悔やんでも、歯に後戻りはありません。チャンスは1回、大人の歯になったら生涯その歯しかありません。”毎月髪を切っても、人生の時間は伸びません”。しかし健康を維持できればあなたの人生の時間が延びると考えたら全然勿体ない時間ではないと思います。是非。今日から歯医者に通う習慣をつくっていきましょう!

以上のような「通わない理由」はとても理解できるのですが、総合的に見ても通う方がより大きなメリット得られるという事がおわかりいただけたと思います。

では、そもそもこれだけのメリットがありながら日本の歯科業界は先進国の中で見ても”なぜ遅れをとってしまっている”のでしょう。解説していきましょう。

銀歯は当たり前ですか?

日本では銀歯をしている人は珍しくありませんが、先進国の多くでは銀歯は「いい加減」「お金が無い」「不潔である」などの印象を与えてしまうことから、銀歯を入れることは稀です。

背景として日本では、保険適用は”治療”のみ可能であり、「保険治療」をすると銀歯になるという制度になっています。言い換えれば、保険を使うためには”むし歯になる必要がある”が故に、歯医者には”痛くなってからしか行かない”そんな意識が根付いてしまいました。

近年ではインターネットの発展から歯の”予防”の大切さも広がりつつはありますが、それでも先進国の中では断トツ意識が低いというのが現状です。

予防意識はあなたにどう影響する?

では、こうした意識の差が実際あなたにとってどう影響するのでしょう?調査結果ではこのようになっています。

remaining tooth at 80 years old

過去1年に歯科医院へ行った人の割合と、それに対する80歳時点での平均残存歯数のグラフとなります。日本も一昔前は一桁の本数しかありませんでしたが、最近では15本程度まで改善してきています。

見ていただいた通り、定期検診に通うほど残る歯の本数が多くなります。年を重ねるほど歯の健康状態の悪化は加速していきますので、定期的に通わなかったが故に一本も歯が無いという人の割合もどんどん増えるというのが実状です。1本でも多くご自身の歯を残す為にも定期検診はとても重要なのが分かりますね。

80歳になっても20本以上の自分の歯を残そう!という日本歯科医師会が推進する「8020(ハチマルニイマル)運動」を行っています。その甲斐もあり残存歯数は少しづつ伸び、近年では定期検診義務化の話題も出ています。今後こうした「予防歯科」が当たり前になっていく世の中もそう遠くはありません。

結局のところどうすればいい?

予防歯科のメリットまとめ

  • 虫歯や歯周病を早期発見&未然に防げる
  • より多くの歯を残し、いつまでも食事を楽しめる
  • 痛みに苦しむことが減る
  • 病気のリスクを下げる(認知症、転倒、要介護認定を受けるなど)
  • 全身の病気を予防 / 健康な状態に保つ
  • 経済的な負担が軽くなる

メリットを得る為にどうすべきか?

こうしたメリットを得る為にも、当法人では3ヶ月に一回程度のペースで通われることを推奨しています。これからは「痛くなったら歯医者へ行く」のではなく、「痛くならないよう予防のために歯医者へ行く」ことで、いつまでも健康かつ幸せで居続けられるようにしていきましょう!